2010年10月29日金曜日

井形慶子 『仕事も暮らしも3で割るイギリスの習慣』


最後まで、筆者が語る「どこから見ても豊かな」イギリス人の生きかたが、そんなにいいのかえ、と疑問を持ち続けたままだったけれど、全体的にはフムフムと読めた。

この手の本だとイギリスは~ですばらしいけれど、日本は~~でダメダメ~みたいな話の流れになってしまうのは仕方なし。

私は2010年は「日本・再発見」の年なので(きわめて個人的な一年のテーマ、しかも後付け。)、こういう本を読んだからといって、そう簡単に、よし!明日からイギリス人風に、上司をファーストネームで呼んだろう、と意気込み、「たけはる~、レポートこんな感じでいいでしょうか」とか「今日も素敵なシャツですね、えいいち!」とか言って周囲の空気を凍らせるとかそんなことにはならない。

むしろうちの会社は外資系にもかかわらず日本の風土を色濃く反映しており、アメリカ人のGMがわたしに話しかけるときも、「Good morning Lynn-san. How are you?」と必ず名前に「さん」付け。

まあそういう日本文化に理解のある社長ひきいる軍団のため、私のような純日本娘でもなんとかやっていけている。

話はそれたが、この人の主張することはよく分かって、やはり仕事、私生活どちらかに比重がかかるのではなく、どれもバランスよく行うことはとても大切。人生を仕事、生活、個人(女)に分けて、それぞれの充実をはかるべきである。

文中のあるセラピストの言葉をちょっと引用。

「日本人が仕事人としての自分を全体像の3分の1だと割り切ることができれば、もとリラックスして仕事を愉しむことができるし、これまでにないユニークな人材やビジネスが日本からも次々と生まれるはずだ」

たしかに、仕事で失敗しても、会社での人間関係に悩んでも、まあ3分の1だしね、と考えることができれば、気楽である。

私はまぁ、月の約半分を仕事をして生きている。個人情報保護の関係で家に一切仕事を持って帰ることができないので、私生活に仕事を持ち込むことはほとんどない。生活の部分は三味線などの趣味もあるし、読書もたっぷりしているし、興味のあることは尽きないので、ここも楽しく暮らしている。

問題は3つめである。著者によるとやはりたまには着飾って夜の街へ出て行ったり、男性方と楽しくお話をしたり、カップルで行動したりと、もう少し艶っぽい部分が自分にもなければいけないのではないかと、思わなくもない。でも正直、前の2つが結構うまくいっているため、3つ目に取り掛かるのがすごく億劫なのだ。

しかしやっぱり早く取り掛からなければならないだろう。何となれば料理でも、オシャレでも3つ目があるかないかでずいぶん違うことを実感として知っているからだ。

例えば、塩・コショウに加えてあとヒトツ、たとえばローズマリーとか、バジルとかのハーブを加えると味がとっても引き締まる。お料理だって、メインとご飯に、酢の物とか、時間がなければお漬物を小皿に乗っけるだけで、食卓の印象が大きく変わる。これですよ、この効果。これがまさに、私の人生大で必要とされていることなのね!

と今これを書きながら悟ったので、明日からもう少し色のある服を着て、出かけようと思う次第。

ああ、今日食べた新米が、美味しかったのでなんかそれでいつまでも幸せな自分はことごとく色気より食い気…それも今夜限り。な、はず。

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