2010年12月17日金曜日

2010年12月14日火曜日

2010年覚書き

今年の手帳を捨てる前に。

『不安は裏切り者だ。試すのを恐れるようになり、手に入れられたであろうものが失われる』

『常識的な答えより、遥かにいい答えを考えよう』

『つまづいて倒れたときには目を開くと頭上には星空が広がっている』

『短期間に経験すること行うことに大きな価値がある』

『自分の価値の80%は言動の20%で判断されている。20%にあたる特徴的な言動とは何だろうか』

『Don't settle for the second best!!!』

『過去は現実的な目的のためにだけ存在するものであり、悩みや苦しみを与えるために存在するのではない』

『ストレスは非日常の場所で癒されない。問題を乗り越えて初めて癒される』

2010年12月11日土曜日

町田康 『おっさんは世界の奴隷か―テースト・オブ・苦虫6』


今週はあまり読んでいなくて、かろうじてかばんに入っているのがこれ。
それも、なんかレストランの待ち時間とか、アイスティを飲み干すまで、とか、ちょっとずつなのであまり進んでおらず。

やっぱりおもろい。おもろいけど、『告白』とか読み直してどっぷり世界に浸りたいなぁなんて思いつつ、でもやっぱりアレは夏に読んだ方が気分が乗るんじゃないかなぁとか思ったので、それもやめて。


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2010年12月7日火曜日

臨時収入

『確実にもう一度読む本』以外はどんどん手放そうキャンペーン中であるので、年末の整理もかねて本30冊あまりを、BOOKOFFに持っていった。

三分の二は文庫と新書、ほかは単行本。新書はどうしても気になるタイトルだと衝動的に買ってしまうので、なんだかんだで溜まってしまう。文庫は、今年は三島由紀夫の『お嬢さん』や『複雑な彼』などを大いに楽しんだので、これらはまた読むかなぁと考えたけれども、多分NOということで、思い切って全部。

1560円で買取っていただいた。

これは結構な収入で、何となれば一週間食いつなぐことも可能な額。うれしかりける~

うれしかりけ~る~~ぅ (長唄調でね)


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2010年12月6日月曜日

ダニエル・ピンク 『ハイコンセプト 「新しいこと」を考え出す人の時代』

① この仕事は、他の国ならもっと安くやれるだろうか
② この仕事は、コンピュータならもっと速くやれるだろうか
③ 自分が提供しているものは、豊かな時代の非物質的で超越した欲望を満足させられるだろうか

これが、これからの成功者と脱落者を分ける3つの質問。

著者によれば

『海外のコストの安い労働者にはこなせず、コンピュータが人よりも速く処理できないような仕事に集中し、繁栄の時代の美的・情緒的・精神的要求に応えられる個人や組織が成功することになる』

気になったのは、デザイナーのカリム・ラシッドの「カリマニフェスト
これはプリントアウトして冷蔵庫のドアとかにはっておきたい。
特に
49. Past is pointless.
50. Here and now is all we got.

それから創造性をふくらませて物語を書く練習「ミニミニ短編小説」も面白そう。

そして、ビクトール・フランクル『夜と霧』を、チェックリストに追加。

この本は、いいです。

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雑誌 『Real Simple December 2010』


(ダニエル・ピンク『ハイコンセプト』で紹介されていた雑誌)


これは定期購読したい・・・!
紙面がとってもきれいで、見ていてわくわくするし、インテリア、レシピ、ファッション、生理整頓、健康管理など、1冊でおいしいテーマが盛りだくさんなのもいい。

Websiteの情報量もなかなかのもの。(でも1つの記事を読むのに何回もクリックしなくちゃいけないのは、いただけない。)

写真のやデザインのアイデアが斬新なのも、おもしろい。例えば、チョコレートのケーキを放射線状に切るんじゃなくて、水平に薄くスライスするとか。残念なのは紙面の半分が広告であること。でも広告もなかなかきれいなものがあったり、キャッチコピーが面白かったりするので、楽しんで読める。

これで毎月の出費がまた、増えますな…。

2010年12月5日日曜日

リチャード・カールソン 『小さいことにくよくよするな! しょせん、すべては小さなこと』


以下、おォ、と心に響いた箇所

『「あと一時間しか生きられず、たった一人にしか電話ができないとしたら―だれに電話をかけてなにを言いますか、それに、なぜじっと待っているんですか?」

これは作家のスティーヴン・レヴァインの質問だ。なんという強烈なメッセージ!

私たちはいったい何を待っているんだろう?たぶん私たちは永遠に生きられると信じたがっているか、愛する人たちに「いつか」そう言おうと思っているかのどっちかだ。理由はなんであれ、私たちのほとんどは待ちすぎている。』

もうひとつ、マザー・テレサの言葉から

『私たちはこの世では大きいことはできません。小さなことを大きな愛をもってするだけです』

2010年12月4日土曜日

西田文郎 『10人の法則 感謝と恩返しと少しの勇気』

『あなたが感謝すべき人、10人の名前をあげなさい。そして一年以内に10人全員にあなたの「感謝」を伝えなさい』

そして、辛いときにはその10人を思い浮かべ、感謝の気持ちで心を満たす、すると力が湧くのだと。

たしかに、今ある自分は、関わってくれたすべての人のおかげであるのだし、その人たちのおかけでできた経験=わたしの人生、なわけで。

一月に一人手紙を書いて伝えればよいということか。

やってみようかな。

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飛鳥新社編集部編 『はじめての神保町 書店、カフェ、雑貨、カレーめぐり歩きガイド』


今日はこれをもって、朝もはよから神保町へ。
銀座線で神田まで、そこからてくてく靖国通りをあるくと、続々と古本屋さんが見えてくる。
今は物を増やさないようにしているので、本よりは、雑貨や食べものがターゲットとなる。

カレー屋も多いけど、同じくらいタイ料理屋も多い。
それからスキー、スノボ専門店も、多い。なんか雑多なとこだなと思いつつ散策。

神田達磨の薄皮たい焼きを食べる。ふつうの味。

あとはみみをすます書店とその下のオーガニック専門店などをぶらりと見て、帰って家の近くのイタリアンでランチをした。

こういうなんでもない休日が、楽しい。

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2010年12月3日金曜日

外山滋比古 『「人生二毛作」のすすめ 脳をいつまでも生き生きとさせる生活』


読み始めてから、この本のターゲット層は40歳以上ということに気がついた。
でも、仕事と平行してなにか打ち込むことがあるというのは、何歳であってもいいことだと思う。

それが歳を重ねて定年とかを迎えれば、打ち込む時間も増えるわけで、長く続けられる趣味を今のうちから始めておくのもいいかもしれない。

私は三味線と読書と料理で相当の時間がもつのではないかと思っているけれど、実際どうなのかしら。

2010年11月27日土曜日

2011の手帳とフリクションペン

今日は、非常に小さなことだけれども嬉しいことがあったので忘れないように書いておく。先だって、来年使う手帳をああでもないこうでもないと捜し歩いていたのだが、今日御徒町の『多慶屋』で運命の手帳にめぐり合ったと言うのは大げさか。

それはPILOTの「ORDINAL」というA5スリムサイズの地味な手帳である。黒い表紙で、いかにもビジネスマン然としているのが気に入らないので、しおりとかシールとかで多少ドレスアップしなければとは思うが、180度広げられて、見開き1週間、右側がすべてメモという格好。これが、1週間単位で予定を立てる私にはぴったりなのだ。マンスリーカレンダーもあって、一月の予定も見渡せる。これで700円はお買い得。

さらには、かねてから文房具売り場で試しては感動していたフリクションペン赤&黒。これはしっかりと、詰め替え芯まであるので繰り返し使えるからエコでもある。

このペンが!予定が変わったときに消せるからえんぴつと併用とかしなくてもよいし、なによりもキレイに予定が書き込める。いやぁ、すごいね、さすが、文房具天国日本。

ということでしばしスタバで来年の大計画をしていたら軽く1時間半も夢中になってしまった。

でもこういうのがなんとも言えず好きなの。


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2010年11月25日木曜日

小津安二郎 『お茶漬けの味』


最後に、とってもかわいい奥さんになっちゃうところが笑えた。

「いやぁねぇ、あんた。」「生意気なのよ。」「無理なのよ。」「しょうがないわねぇ。」って相槌が、いかにも台詞っぽくて。

最後、キライだった旦那さん(見合い婚)に惚れ直して、姪のセツコを諭すシーン。

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ねェ、せっちゃん分かる?

よく考えるのよ、よく考えてお婿さんきめるのよ

あんたの一生の問題

ネクタイの好みがいいとか、洋服の着こなしがどうとか

そんなことどうでもいいの

何て言ったらいいのかな

男の人の頼もしさっていうのかしら

それが一番大事なの

あたしもわかんなかった

でも今じゃ、嫌だったことが、何から何まで好きになっちゃったの

あんなにいい旦那様、めったにいないと思ってるの

(1952年の、最先端の夫の基準がこれ(=頼もしさ)ってことかしら?)

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2010年11月24日水曜日

本田直之 『本田式 サバイバル・キャリア術』

こういう本を読むと、小手先の技術とかコツとかそういうTipを期待するけれど、そういうものはないということはいろんなビジネス本を読むとよーく分かる。

この本でだって、社会人のはじめ10年間は、コーポレートキャリア中心に、とある。

10年って、一言で言うけれど、私は始めの仕事は3年半でギブアップ、今の仕事でこれから10年というのは何か果てしない感じがする。

でも、先を急ぐよりも、じっくりと取り組む、量をこなすことでしなやかな仕事の筋肉が養われると言うこともよく分かる。10年はあくまでも目安。今は私は量をこなす時期なんだな、と思う。

本の中に、一ヶ月生活費の半分で暮らしてみるチャレンジが載っていたけれど、面白そう。やってみようかな~なんて。


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2010年11月23日火曜日

酒井順子 『儒教と負け犬』

図書館の「返却されたばかりの本コーナー」は、意外と面白い本があることに気がついた。予約していたDVDが準備できたと知らせが来たので、ついでに立ち寄っただけだったから、とりあえずコレだけ借りて、さっと読み。

ソウル、上海の「負け犬」は、それぞれ「老処女」、「余女」と現地では呼ばれるのだが、それらと座談会をして、「負け犬」の実態を探っていく内容。

まぁ結婚する理由、しない理由、年齢、お金とか学歴の条件…は人それぞれだけど、やっぱり結婚は、「この人となら苦労できると思えるか」なんじゃないかと思う。(これは、『デスパレートな妻たち』でトム・スカーボが言ったセリフのウケウリ)

人間苦労はできるだけしたくないから、その辺における安心項目(お金とかお金とかお金とか)にチェックが入っていれば、なおさらよしですけど。


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2010年11月22日月曜日

南直哉 『老師と少年』

こちらも茂木さんの本に出てきた本。
少年が「自分とは誰なのか」「なぜ人は死を選ぶのがいけないことなのか」などなど、いろんな問いを老師にするのだけれど、老師は絶対に答えをくれない。

自分もそうやって悩んだ、苦しんだ

問うことに意味があって、答えに意味はない

と老師は少年に語りかける。

私は何で生きてるんだろう、とか死んだらどうなるのかなとかあまり考えたことがないし、自分とは誰なのかできればあまり知りたくないかもとか思っているタチ。

でも、どうやったらよりよくなれるかな、というのは常に考えているので、問うことの大切さはよく分かる。

「生きる意味より、死なない工夫」というのが面白い。

答えが得られなくても、毎日なんとかなっていくもんだし、そうやって答えに固執せずにいい意味で流されていくのがいいってことかしら。


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2010年11月19日金曜日

小津安二郎 『東京物語』


茂木さんの本に出てきたためさっそくチェック。

お話はとてもいいけど心に刺さる言葉がたくさんあって、辛い。のりこさんの言う日本語がきれいで、彼女を気遣うお父さんお母さんの言葉にもとても心を打たれた。

もっと見よう、小津安二郎。

今年の残りは、白黒映画で。


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中村薫 『正信偈62講 現代人のための親鸞入門』


私の家は軽く熱心な浄土真宗本願寺派なの。今年は親鸞聖人750回忌ということで、にわかなブームになっていろんな企画がある。

祖母は朝晩この正信偈(しょうしんげ)を読み、各種法要、毎月のお勤めなどでは家族で合唱&合掌という子ども時代だった。でもこれけっこう長くて、ただ読むのではつまらないので、お経の本の説明書きを適当に読んでいたのだけれど結局その場では頭に残らないので、改めて本を読んでみようと思った次第。

ちなみに正信偈の歌いかたもなかなか面白く、真剣に歌おうとしたらそれはそれで面白い。特に、私は後半にちょっと音があがったりさがったりするところは妙にツボで。

とにかく、読んでみたならば相変わらず難しくてまったく頭に入らない。そして、社会問題などとリンクさせて、話を広げているので、なんかちょっと焦点がずれてしまう気がして。毎日のこころがけでこういうところは正信偈によればこうするんだ、みたいなことがさくっと書かれてある本はないものかと。

実はまだ読みきっておらず、半分ほど残っているのでスピードアップしようかしゃん。


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2010年11月16日火曜日

松本佳奈 『マザーウォーター』


めもめも。

セツコのバーでグラスは木村硝子店のもの。浅草では創吉で扱っているらしい。

マコトさんがもっているカゴがいい。エコバッグよりも安定するし。合羽橋で探すか。

この映画は現在のことしか描かれていない。日常は、こういうものなんだと思う。過去に経験したことなんて、記憶の中以外では消えてなくなってしまうんだな。物理的に。



友達とまたおいしいものを持ち寄ってピクニックがしたいと思った。


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2010年11月15日月曜日

川上徹也 『明日、会社がなくなっても、自分の名前で勝負できますか?」


プロフィールの書き方が参考になった。現在→過去→未来でストーリー性を持たせて数字で印象を与えつつ書く、という。

まぁ私は自分の名前で勝負というか、まず、今の会社でできることを精一杯やるのみ。


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宇野千代 『私は夢を見るのが上手』


「ただ、自分の気持ちに忠実に、自然に生きていくためには、女も、いつでも自分で現金を稼げるやうな状態にしておくことが必要だと思ひます。貯金とか株券を持つていて利子が入るといふのではなくて、生身の体で働いてお金を稼げるやうになってゐれば、好きな男が現はれたときに、お金と関係なしに、自然な気持で「好きつ」と駆け出していけるのですから

ついでに言ひ添えますと、駆け出していつても、相手の前で黙つてゐてはだめです。好きだといふ気持ちをはつきりと伝へなければなりません。表現の方法も考へるのです。」

最後の方の、寂聴さんとの対談で、オス・メスの話をしているところから

寂聴「・・・プラトニックラブはお認めにならないですか」
千代「いや、それは認めますけどもね、それはオス・メスの感情から入っていって、それが昇華したというようなことのほうが理想的だなと思いますね」


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さて、駆け出しませうかね、年末にでも。
で、来年あたりからオス・メスの関係で大盛り上がりになりたいところでございます。正直。(lol)

2010年11月14日日曜日

茂木健一郎 『脳が変わる生き方 人はどこまでも成長できる』



これは、非常に勇気付けられた一冊。

「人生で大事なことは、どうなるかわからない、「偶有性の海」に飛び込むことです。自分と異質な何かが来たとき、古い自分を守ろうとせず、そこに飛び込んでみてください。」

「ある行動の結果、ドーパミンという報酬物質が出たら、その行動は強化されます。これが強化学習です。全力でやっとできるくらいの目標を設定して突破すると、もっともドーパミンが出て、教科学習が成立します。」

「どうなるかわからない状況の偶有性こそが、報酬物質を脳に出させ、学びを促す一番のきっかけです」

「直観力を磨くには、体を動かすことです。」

「自分が何者か決め付けないこと、自分の正体がわかったと思わないこと、そして、どうなるかわからない偶有性を楽しめること。人生ではこれが大事です」

「いかに生きるかを教えてくれる学問こそが、本当の学問です。」

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ここまで来たらもう人は変わらないとか、言うけれど、そう決めつけてしまってトライしないのはもったいない。やっぱり。それから、不確実なことばっかりの人生をいかに楽しめるか、結論が見えないところへどうつっこんでいけるか、それが大事。

不確実なことばかりで不安は不安だけれど、最近心配してもどうしようもないか、とは思えるようになってきた。愉しむというレベルまでは、あとちょっと。


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2010年11月13日土曜日

川北義則 『いつでも、逆に考えるとうまくいく。もっと元気が出る71のヒント』

8. 好調なときは慎重に、不調のときほど大胆に

11.健康に留意すると健康を損ないやすい
特に最後のピラミッドの碑文の引用部分『人間は食べる量の4分の1で生きている。残りの四分の三は医者が食っている』 によると、私は明らかに食べすぎ、もうすぐ病院行き???(NOoooooo!)

35.求めることと反対の気持ちをもってみる
『…無心のときによい技あ自然に出るのだ。…<中略>…つまり、ここぞというようなときには、求める結果にこだわらず、無心の境地に立つのがいいということだ』

37.小さな悪をもてば大きな悪から逃れられる
『悪を去れば善もなく、善を去れば悪もなし。ゆえに善物・悪物にして一物、善心・悪心にして一心なり (安藤昌益 『自然真営堂』)←これを読んでみようかしら。

69.会社に頼らない人こそサラリーマンに向く

による、快適なサラリーマン生活の秘訣。
1)会社に頼るのではなく、会社から頼られる人材になる
2)会社に依存しないでも自立していけるという選択肢を用意しておく
3)高い志と熱い情熱を持ち続ける

休みの最後に読むのに、いい本。

2010年11月12日金曜日

泉正人 『不況を生き抜く!お金の常識』


ATMの手数料は10万円の利息よりはるかに多い。
(分かっていながらも、今日も105円、取られてる。しかもこの本読んだあとだから、情けない。)

元金を2倍にふやす計算式:「金利(%)×年数=72」
(まず元金を貯めてから、計算しなければね。)


とりあえず収入の2割はぎりぎり貯金できているので、セーフ(?)

平野由希子 『ル・クルーゼで料理 1:15分でつくる編』


料理本は、実際に作るレシピがどれだけあるかが一番大切な評価項目だ。その点、この一冊は、ほとんど作ってみたいと思えるし、ほとんど味が想像できるし、しかも素材がとてもシンプルで、味付けも塩コショウとハーブ等で、コツがいらないのが嬉しい。

まぁ、コツというのが、鍋なんですけれど。

今日は明日のお弁当の具のために、じゃがいものバターしょうゆ炒めに挑戦。
マッシュルームが残っていたので、一緒に入れました。しょうゆの焦げた香りが、日本人にはたまらない一皿。





でも、肝心のル・クルーゼ鍋がない。

『ジュリー&ジュリア』で登場する、オレンジ色のを、アマゾンのショッピングカートに入れてあるんだけれど。

図書館の寄り道 vol.1

依子はここ1週間ほどイライラしている。いつも使っている耳掻きが家で見当たらないのだ。特に急に必要というわけではないのだが、なぜこんなにもよく、耳掻きはなくなるのだろう。耳掻きはいつも依子の手からはなれると、棚の隙間や本の隙間に隠れて、しばらく姿を消すのだった。だいたいは定位置に、爪切りやメイク道具といっしょにしておくのだが、そもそも耳掻きはいつも決まったときに行うのではなく、あ、なんかかゆい気がする、という時に単品で使うわけなので、そのようなものとは別に、確固とした定位置を設ける必要があるのかもしれない。

それにしても1週間も出てこないと言うのはおかしい。洗面台の小さな箱や、収納棚、机の後ろなどくまなく見てもない。そんな時に限って、耳がざわざわして心も落ち着かない。今すぐにでも、耳の中の皮膚に刺激を与え、いつものあのスカッとしたたまらない気分を手に入れたい、そう思って心がはやるのだけれど、見つからないものは見つからない。しかもこの日の依子は、麺棒では手に負えないイライラを抱えていた。ああ、もう!

仕方がないので別の方法、即ち食べものを補給することによって、イライラをすこし解消しようと、洗濯しようと思っていたグレーのスウェットをもういちど身につけ、ノーブラでボーダーのよれよれのシャツをかぶり、髪の毛をそのへんに落ちていた黒いゴムでただ結った。素足でクロックスもどきのサンダルをひっかけ、歩いて30秒のマクドナルドへ行く。

カウンターでホームレスのおじさんと並びながら、ナゲットを単品持ち帰りで注文をすませ、「よこにずれてお待ちください」との指示に素直に従い、ナゲットが準備されるのを待ちながら、ズボンのポケットの小銭を漁っていると、何かが指にひっかかる。

耳掻きやんか。

そうだった。1週間ほどまえ、珍しく掃除をしていたさいに、ベッドと壁の間で落ちそうになっていた耳掻きをすんでのところで救済し、これはあとで適切な場所に収納しようと、とりあえずポケットにつっこんだのがそのままになっていたのであった。

依子は我慢できず、無心で耳掻きをこねくりまわして耳から全身に広がる快感に身をゆだねた。まるで初めて耳掻きを体験したかのような気分であった。ナゲットの準備ができた。お姉さんが呼びかけている。でも動きたくない。もうしばらく、この心地よさに、酔っていたい。




というストーリーが、あるのかも、ないのかもしれないと思いながら、マックで耳掻きに夢中になっている姉ちゃんを興味深く観察した。日常生活が、なんとも面白いなと思うのは、こういうとき。

2010年11月7日日曜日

Quotes - Julie and Julia (1)



Chocolate Cream Pie...

You know what I love about cooking?

What's that?

I love that after a day when nothing is sure, and when I say "nothing" I mean nothing,

you can come home and absolutely know that if you add egg yolk to chocolate and sugar and milk, it will get thick. It's such a comfort.

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【My訳】

チョコレートクリームパイ…

私がなんで料理が好きか知ってる?

なんで?

だって、確かなものなんて「何もない」一日の終わりに…、しかもね、私が「何もない」っていったら、ほんとに何もないわけよ。そんな日でも、家に帰って、チョコレートとお砂糖とミルクに卵黄を混ぜれば確実に、クリームになって固まるって絶対に分かるんだもの。それってほんとにほっとするわ。

2010年11月3日水曜日

上田惇生 『ドラッカー 時代を超える言葉 洞察力を鍛える160の英知』


タイトル長っ。

最近は日経ウーマンとかに特集が組まれたりして(ずいぶん前な気がするけど)、ビジネス雑誌なんかにも頻出のドラッカーさんの言葉をテーマごとにまとめてある。

正直、経営のことは最近あまり興味がないし、仕事を始めたばかりでまだまだ勉強中なので、そんなアッパーなレベルで会社を見る余裕がないため、かなり斜め読み。

でも『優先順位を決めるための四つの法則』は気になった。

1)過去ではなく未来を選ぶ
2)問題ではなく機会に焦点をあわせる
3)横並びではなく独自性を持つ
4)無難なものではなく変革をもたらすものに焦点をあわせる

あとは、もう、組織から得られるものは何なのか。

自分は、何によって憶えられたいかを常に考える。

そんなところがエッセンスじゃないかと。あくまでも個人的観点から。

ちなみに私は何によって憶えられたいかというと・・・







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町田康 『テースト・オブ・苦虫7:自分を憐れむ歌』

私も、最近多い、「自分を信じて夢を諦めず、願い続けたらいつか叶う」とか「自分らしさが大切さ、キミはオンリーワン」みたいなチープな自己啓発ソングがあまり好きではない。

云わんとするところは分かるけれど、私の場合は昔から個性的、変わっていると言われて育ってきたため、できれば人並みに、平凡に、その他大勢に埋もれて目立ちませんように、と日々願いながら生きているので、あまり賛同できないのだ。

だから私はなるべく自分を小さく小さく、目立たせず、ひっそりと物静かに生きようよ~なんて歌はないので、時代を経てもはや意味も半分分からない長唄なんてぇのを、習ってるの。

習ってるの。

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ジェナ・ピンコット 『あなたがその人を捕まえたいと思ったら?』


これは恋愛HOW TO本ではなく、もっと男女の脳内を掘り下げたデータに基づく事実本、のよう。
こちらもまた友人の本棚より。読んでいたら、多分以前に立ち読みしたことがあるんだろう、既読感があった。でも、しっかり学習した。

まず、次に好きな人に会うときには、じっと目を見つめて話してみましょう。コツは少しずつ目を合わせる時間を長くすることらしい。これはタダでできるから、変に思われない程度に、すぐ実行すべし。すぐ会えないのが残念。

それから、体臭が好きになれない男とはうまく行かないとも書いてある。これは積極的に近づきくんくん嗅いで見るほかないのだけれど、ハードル高いな。こそっとジャケットでも匂ってみるべきか。それもあやしいけど。

次に、相手の気を引く最強のシグナルは、微笑み。これもFree!(何でもお金と絡めて考えるのを、やめようよ。)

最後に気になったところを引用。

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「愛とは、一人の人間と残り全ての人間との違いを大げさに誇張することである」と言ったのは劇作家のジョージ・バーナード・ショー。95%の人々が自分のパートナーは容姿も、知性も、人としてのあたたかさも、ユーモアのセンスも平均以上だと考えていることから、彼の言葉には一理あるようです。・・・

誰かと真剣な関係を長期的に築くには、自分の恋人が他の誰よりもいいという確信が必要であり、このような確信には適度な自己欺瞞が必要です。(←これが笑える)・・・恋人が理想的だと思っている人ほど、きっと二人の関係に満足しているでしょう。

・・・男性の場合は特に、相手が自分に持っているよいイメージが事実であれ単なる思いこみであれ、自分が理想化されている場合にもっとも幸せを感じることがわかりました。お世辞は、二人の関係にはマイナスにはならないようですね。(なる。今度は褒め殺し作戦か?)

・・・もちろん彼を理想化する際には、彼を偶像化しないことが重要です。・・・調査の結果もっとも幸せなカップルは、相手に失望したとしても、それを可能な限りポジティブにとらえ、否定的な気持ちを持たないようにしていることが分かりました。

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つまり、彼を理想化し、理想と思う点を褒めまくり、気になるところがあっても前向きに考える、こういうことを続けていくと、脳が働いて単なる思い込みではなくなっていくと。潜在意識に植え付けられていくと、そういうことかしら。

まぁ確かに、傍から見て「なんであの人とあの人が?」とか思ったり思われたりということが多々あるだろうけれども、二人の間に理想化の橋がかかっていたらもう、他人と同じ目で相手を見られないっつーことなんだと思えばそういうのにも納得できる。

ん~こういうのを読むとすぐに実行したくなるけれど、遠距離片想いってすぐ実行できないのが辛い!次回は必ずや上記を実行、いいかげん決めたい、そんな季節。


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2010年11月1日月曜日

パトリス・ジュリアン 『生活はアート』

友達の本棚より。

パトリス・ジュリアンは勝手にシェフだと思っていましたが、フランス大使館で働いていたり、日仏学院の副学長だったり、その前にはポルトガルやタイに駐在していたり、ほ~んと、いろんなことをされてきたお方なのだと知った。

超、心に突き刺さった言葉は、

「もし、今の自分を変えようと思ったら、まず変えるべきは食べものです」

分かってるんだけどねぇ、と思いつつ今夜もモンブランプリンを食べています。



あかんやないの。


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2010年10月31日日曜日

関沢英彦 『偶然ベタの若者たち』

私が大学を卒業するときに、ゼミの謝恩会で恩師が卒業する私たちにひとこと

『みなさん、勇気を持って、頑張ってください』

そんなのを思い出した。仕事の面接、辞めるとき、誰かを好きになったとき、新しい場所へ赴くときに、この言葉に幾度励まされたことか。未知の世界に一歩踏み出すときの勇気があれば、その先の最高な偶然に出会う可能性が広がる。

もちろん、最悪の偶然に見舞われることもあるし、何にもなくてがっくりくることもある。

でも、注意をして見ていれば、小さな偶然や気づきはいっぱい転がっているもの。それから万が一最悪の偶然にめぐり合っても、私は「まあ、零合星人だから、仕方ないよね」と片付けられる。最近は仕事の不運も、そうやって片付ける。しゃーないしゃーない、と。

で、こうして自分を騙し騙し過ごしながら、私が待つのは、この本にも書かれているPlanned Happenstance「計画された偶然」である。これはどこかで以前にも読んだことがある、ジョン・クランボルツという人の言うことで

『慎重に立てた計画よりも、想定外の出来事や偶然の出来事が、あなたの人生やキャリアに影響を与えていると感じたことはありませんか?・・・キャリアはどうでしょう?大学での専攻分野や、職業、会社、同僚、上司にも想定外の出来事が影響を与えています』

ということ。確かに思ったとおりに行かなくてよかった、ということは山とある。例えば、新卒でもっといい会社に入社していたら、今の私の人間関係で大切な位置を占めている元同僚や、大切なお客様には出会えなかったし、彼らナシの人生なんて正直考えられない。

この先もそういう偶然に恵まれた人生を歩みたかったら、やっぱり勇気は必要不可欠である。だって、最近の世の中って、何か物騒で、怖いもの。普通のマインドじゃ、正直やっていけないし、雰囲気で負かされちゃうってことも大いにある。

だから勇気とセットで持ち歩きたいのはやはり、鈍感さだろう。

敏感に感知しすぎてもいけない。人生に必要なのは運・鈍・根。おそれずに立ち向かい、モンスターが出てきても、キャーと驚かずに鈍に構えて「変な顔しとるなぁ」とか言うくらいにしとく。そういう感じ。

そういう感じで、行こうと気持ちを新たにしました。

ちなみに、最近あった最悪の偶然は…と考えていて、まったく思い浮かばなかったので、そもそも、統計的に、そんなにびくびくしてすごさなくてもイイジャンと、思った。



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2010年10月29日金曜日

井形慶子 『仕事も暮らしも3で割るイギリスの習慣』


最後まで、筆者が語る「どこから見ても豊かな」イギリス人の生きかたが、そんなにいいのかえ、と疑問を持ち続けたままだったけれど、全体的にはフムフムと読めた。

この手の本だとイギリスは~ですばらしいけれど、日本は~~でダメダメ~みたいな話の流れになってしまうのは仕方なし。

私は2010年は「日本・再発見」の年なので(きわめて個人的な一年のテーマ、しかも後付け。)、こういう本を読んだからといって、そう簡単に、よし!明日からイギリス人風に、上司をファーストネームで呼んだろう、と意気込み、「たけはる~、レポートこんな感じでいいでしょうか」とか「今日も素敵なシャツですね、えいいち!」とか言って周囲の空気を凍らせるとかそんなことにはならない。

むしろうちの会社は外資系にもかかわらず日本の風土を色濃く反映しており、アメリカ人のGMがわたしに話しかけるときも、「Good morning Lynn-san. How are you?」と必ず名前に「さん」付け。

まあそういう日本文化に理解のある社長ひきいる軍団のため、私のような純日本娘でもなんとかやっていけている。

話はそれたが、この人の主張することはよく分かって、やはり仕事、私生活どちらかに比重がかかるのではなく、どれもバランスよく行うことはとても大切。人生を仕事、生活、個人(女)に分けて、それぞれの充実をはかるべきである。

文中のあるセラピストの言葉をちょっと引用。

「日本人が仕事人としての自分を全体像の3分の1だと割り切ることができれば、もとリラックスして仕事を愉しむことができるし、これまでにないユニークな人材やビジネスが日本からも次々と生まれるはずだ」

たしかに、仕事で失敗しても、会社での人間関係に悩んでも、まあ3分の1だしね、と考えることができれば、気楽である。

私はまぁ、月の約半分を仕事をして生きている。個人情報保護の関係で家に一切仕事を持って帰ることができないので、私生活に仕事を持ち込むことはほとんどない。生活の部分は三味線などの趣味もあるし、読書もたっぷりしているし、興味のあることは尽きないので、ここも楽しく暮らしている。

問題は3つめである。著者によるとやはりたまには着飾って夜の街へ出て行ったり、男性方と楽しくお話をしたり、カップルで行動したりと、もう少し艶っぽい部分が自分にもなければいけないのではないかと、思わなくもない。でも正直、前の2つが結構うまくいっているため、3つ目に取り掛かるのがすごく億劫なのだ。

しかしやっぱり早く取り掛からなければならないだろう。何となれば料理でも、オシャレでも3つ目があるかないかでずいぶん違うことを実感として知っているからだ。

例えば、塩・コショウに加えてあとヒトツ、たとえばローズマリーとか、バジルとかのハーブを加えると味がとっても引き締まる。お料理だって、メインとご飯に、酢の物とか、時間がなければお漬物を小皿に乗っけるだけで、食卓の印象が大きく変わる。これですよ、この効果。これがまさに、私の人生大で必要とされていることなのね!

と今これを書きながら悟ったので、明日からもう少し色のある服を着て、出かけようと思う次第。

ああ、今日食べた新米が、美味しかったのでなんかそれでいつまでも幸せな自分はことごとく色気より食い気…それも今夜限り。な、はず。

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町田康 『テースト・オブ・苦虫8:あなたにあえてよかった』

仕方ないでしょう、好きなんだから、彼の書く文が。

またまた電車の中で読み出して、さっそく2ページ目で不覚にも噴出してしまった。

「ポコちゃんの立場は?」

というツッコミに…

読み終わった今は煮玉子が食べたくて。

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2010年10月26日火曜日

水野浩志 『「やめたいのにヤメられない!」がスパッとやめられる10秒日記』

これは結構有効な一冊であると思った。

悪習慣を続けるメリット・デメリット、止めるメリット・デメリットを徹底して考え、ついついやめられない本当の理由を探す。

10秒日記で、「今日1日のうちでやめてよかったなぁと思えた出来事」を書き留めていく。

これは、簡単で、楽しい方法かも。気持ちを前向きに保ってくれそう。

で、悪習慣を止めて、それをやっていた時間に、いい習慣を行うことができるようになればさらによし。

今日からやるか~10秒日記。

ところで今週はまた雨が降っていて、図書館へ行くのは次の休みになりそう。残念。


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2010年10月25日月曜日

群ようこ 『三味線ざんまい』


今年三味線を始めた者として、気になっていた一冊。

なんだけれど…

群ようこって、こういう感じなのか…母の本棚にはあった気がしたけれど、自分で読むのは始めてだったのだ。

「ああああっ」とか、「うーむ」とか、「ひぇぇ」とか、そんな言葉があちらこちらで何だかそれが気になった。たしかに、そのもどかしい気持ちはよくわかるけれど、なんか全体的に浅い、軽い。

もっと言えば三味線を始めて1年ちょっとでエッセイを書きはじめ、おさらえ会に2~3回参加して、5年も経たずにもう名取・・・???

本の半分くらいで気持ちが離れてしまったのが事実。

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町田康 『テースト・オブ・苦虫5:おそれずにたちむかえ』

ついつい手にとってしまうマチダさん。

電車の中、カフェにて、笑いをこらえきれず、周りの人から怪しまれてしまった。くすっと笑うならいいけれど、ところどころまぢ笑いなものだから。

だから、ひたすら、家にこもって読むべきなのかも。

以下、印象的だった一部分。

『・・・そんな若い人の小説を読んだり、話を聞いたりして気になることがひとつあるのは、小説を自己表現であると信じて疑わないという点で、なぜなら私は、小説は他人を表現する場所であると思うからである。

他人を表現することで、これまでの自分の考えや行いをとらえ直し、ある意味において自己否定、自己破壊をして新しい自己にいたるのが小説であると思う。』

このあと、ちょっと皮肉な感じでエッセーが続くのだけれど、おっしゃっていること、とてもよく分かると思いつつ、本を閉じて、さてDVD見るか。


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2010年10月16日土曜日

森見登見彦 『美女と竹林』


休日前の夜の、ご飯後の読書タイムって幸せ。

こういう軽いタッチの妄想小説は、さらりと読めて、よし。読むことって楽しいよなぁ、日本語っておもしろいなぁって思う。

ちょうど来週京都に行く。きっといつもどおり竹林(私はやっぱり定番の、嵯峨野の野々宮神社へ続く道かしら)を歩いて、友達と主に恋話で盛り上がるんだろうなぁ。てか、それって竹林関係ないな。

面白かったから、『竹林伐採に関する計画書』をいかに写しておこう。

一、竹林を偵察する。
二、枯れた竹を選びだして、人斬りのように切りまくる。
三、適宜休憩をはさんで清談にふける。
四、倒した竹はいくつかに切り分けて、やるせない過去の思い出とおもに脇へ置いとく。
五、かぐや姫を見つけたら警察へ知らせる(相性がよければ求婚)。


ぷくく。

2010年10月13日水曜日

ローター・J・サイヴァートほか 『すべては「単純に!」でうまくいく』


憂鬱になりがちな休日の終わりに、こういう本を読むのは結構なセラピーだ。

物、お金、時間、健康、人間関係、パートナー、自分自身、という順に、物事をシンプリファイ(単純化)する方法がやさしく書かれている。

こういう本を読むときはとにかくやってみることが大切。

ということで、第1章を読み終える前に「机の上を整理しよう」を実行。まあもともとそんなに散らかっているわけではないし、引っ越してまだ半年なので無駄なものも少ないので、ちょろいもん。

大事なのは、これ以上増やさないことかも。

へぇ、と思ったのは、仕事を辞めるつもりがまったくなくても、新しい仕事を探しておく、という点。以下抜粋。

「○ ときどきは、新しい仕事を探してみる

職場を変えなさいと言っているのではありません。ただ、定期的に、自分が置かれた現在の状況をチェックし、首を伸ばして垣根の外を眺めてみようというのです。
一般的に、転職は新たな経験を積み、収入を増やすチャンスになります。辞めるつもりはなくても、転職の可能性をさぐっておくことは、あなたの自信にもつながります。また、あなたの会社が倒産したり、リストラにあったときにも、役に立ちます。」

最後の部分はあまり考えたくないけど、「自信につながる」ってところが魅力。たまにはどういう会社が求人を出しているのか、チェックするのもいいかも。また、今の仕事で得られたスキルをどういうところに活かせるのかな、と考えておくのもいい。

ま、今の会社には満足しているから、辞めるつもりは全然ないんだけど、ね。


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和田秀樹 『他人の10倍仕事をこなす私の習慣』


和田先生の本は、教育関係の仕事をしていたときによく読んだ。才能ではなく、習慣、やり方の問題、というのは日々子どもに接する中で痛感したことだ。

でも、同じようなテーマの本ばかりで、書いてあることは基本的に同じことなので、遠のいたのだけれど。

一言で言えば、行動することが大切、ということだろう。それから、勉強することが好きであること、何かを知ることに喜びを感じること、こういう心持が必要だということ。

今私は正直、何かを生産しようとか、資格を取ろうとか、そういう気持ちがない。人生で始めて、と言っていいかもしれない。このときを愉しんで、ゆったり時の流れるままに、という感じ。だからこういう本を読んでもあまり奮い立たないし、何かしなきゃと焦ることもない。

でもそのうち、また、昔のようにガツガツし始めるのだろうか・・・う~ん。


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2010年10月12日火曜日

三浦綾子 『遺された言葉』

三浦綾子をはじめて読んだのは、高校生のころ。国語の臨時教員が、『道ありき 青春編』の一部を朗読してくれたことがあったのがきっかけである。

たしか前川正がなくなって、髪の毛を切る場面だったと思うのだが、青春時代をベッドの上で過ごしたという境遇だけでもどんな過酷なものだったろうと、すぐに文庫を買って、読破した。

恥ずかしいことに、三浦綾子を読んだのはそれきりで、『氷点』も『塩狩峠』も、いつかは、と思いながらも未読。今は、いつか、ではなく、「近々」読まなければと思っている。(たいして変わらないって?)

彼女が経験したことって、ひとつひとつがすごく濃くて、考えさせられることが多くて、さぞかし感動しただろうなぁと思うようなものもあって、でも多分私にもそういう経験はあるのだろうし、この先もたくさんあるはずだ、とそういう出来事を見逃さない目を常に持っていたいと思う。

小説について。

”現実の面白さや変化は、作家の想像力を超える。景色の四季の移り変わりにしても、たとえば、見本林のカラスのおびただしい死などは、想像からは生まれにくい。それで、わたしは、ストーリーは作っても、舞台は現実にある場所を求めるのである”

だから、舞台の徹底した研究は、すごいそうだ。登場人物を住まわせる家なども、納得行くまでさがして、間取りをスケッチに取った上で、描く。

なるほど、やっぱりビジュアルって大事なのだ。

しかし彼女のパートナーの三浦光世氏との絆がすごい。それから、キリスト教の信仰。二人だけの結婚じゃなくて、世の中に役立つ家庭にしたいという思いで結婚した、とかその辺りも、見習うべき点かも。

でも一方で、私は、どっちかっつうともっと気の抜けた、落語の噺に出てくるような、夫婦漫才のような、そんなのがいいなぁとか思ったりして。


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2010年10月11日月曜日

齋藤孝 『折れない心の作り方』


以前、一生懸命読んでいた齋藤孝ふたたび。

私は結構心は折れにくく、頑丈だと思っている。ここまで生きてきて、自分の向き不向きや、したいことしたくないことがはっきりしたから、あまり人の意見に影響されることもないし、自分は自分、でやっていけている。

それは私の家族や友達のお陰だし、好きな人のおかげだし、今やっている仕事のお陰でもある。

その中でも重要なのは、人との濃密な関わりだろう。

そういう意味では、環境に救われてきた。

専業主婦の母は大好きでありながら一番訳分からない存在だ、と思うくらいケンカも笑いも共有してきている。大学時代は寮に住まい、裸の付き合いと同じ釜の飯を食べたGirlsがいっぱいいたし、新卒で入社した会社は労働環境がとても厳しくて家族と過ごす以上に同僚と過ごした結果、すごく分厚い信頼関係が築けた、などなど。

よかった、こういう人生を歩んでて、と思えた一冊。


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2010年10月10日日曜日

町田康 『つるつるの壺』

例によって、まだマチダ。でも借りてきた分はこれで終了。

これはあちこちの連載とか講演とかをまとめた系の本で、軽く読めるのがよかった。相変わらず、ぐだぐだ感満載で大好きである。特に本の後半の、「町田康の音楽相談室」と、書評のところが、気に入った。

団鬼六『牡丹』、末永直海『百円シンガー極楽天使』あたり、読んでみようかと。

それにしてもこの本がでたのは、1999年!高校3年生。
Ninetiesに思春期を過ごした私にとっては、あまり昔っていう感じはしないんだけど、十年以上前なんだよね、と思うとなんか思うところはいろいろ。

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2010年10月9日土曜日

町田康 『爆発道祖神』


図書館や本屋でぶらぶらする時間は大好きなのだが、結構時間をつぶしちゃったな、と反省することも多いので、最近はこの人と決めて5~6冊、がばっと本棚から借りてくるのが定番。

ということで、今回はマチダが3冊続く。今日一気に残りを読んで返しに行こうと思ったのに、生憎様雨が降ってきてしまったので、ゆっくりと読む。

町田康のエッセイは、エッセイなんだか短編小説なのか、わからないところが面白い。動物とか、像とか、いろんなところから想像して、話を組み立てていて、そうしてみると日常は本当におもしろいことがいっぱいなんだなぁと思う。

特に電車の中での人間観察とか、先の本でも幾度か出てくるけど、電車に乗るんが楽しみになるもの。


さて今日は雨なので、家でまったりとまた本でも読んで過ごそうかしらん。


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2010年10月8日金曜日

町田康 『東京飄然』




町田康を読み出したのは、雑誌の書評にあって「3ページに一度は爆笑できる」と推されていた『告白』を読んだのが最初。以来大ファンになってしまって。いろいろ読んで、でも『告白』がやっぱり一番好きで、常にちょっとずつ読み返している。

町田康の小説に出てくる主人公って、一日中仕事しないで飲んだくれている、という人が一般に多い気がするので、本人もそんなダメダメ男なのかと思えば決してそうではなくて、早起きして仕事場に向かい締め切りにきっちり間に合うように仕事をこなして、社会的なとこをものっそ大切にしている人なんだと、こういうエッセイを読んでいると感じられる。

「飄然」とは、世事を気にせずのんきな様(goo辞書)。漫然と(ぼんやりと、とりとめもなく)出かけるのではなく、あくまでも飄然と。これは結構難しいことである。漫然と歩く、と言うとなんとなくただの時間の無駄というか、そして本人もそれに気がついていて、家に帰ったあと何してたんだろ、と反省すると言うよく分からない時間の過ごし方。漫然と歩いているときは、何か目的を探しながら、なんかおもしろいことないかなぁ、つまらんなぁと考えていることが多いと思う。なんとなれば、私のような貧乏性の人間は、何かその時間に意義あることをしていないと、気が急いてしまうから、はっきりとした目的がないと、焦る、これはいかんやんと思ってしまうものだから。

一方飄然は、飄然とすること自体が目的と言うか、風雅で禅な感じがする。考えてみれば上のような私の思考は、人生から少しでも多くの楽しみを手に入れたい、みたいな欲の塊であって、そういう何かを外に期待して出歩き、その上また、つまらんかった、とか思うのは何か、卑しい気がする。

本来人間は何も目的がなくても、何もしなくてただただ歩いているだけでも、意味あるときをすごしているし、義務をこなして、約束を守って、締め切りに間に合って、気を遣って、という日がある(というかそういう日がほとんど)のであれば、飄然と足の向くままに、思索をしながらそこいらを歩き回る休日があってもいいではないの。

ということで、今日は休日にあたるため、飄然と、出かけようかな。天気もいいし。